[コラム] 「フェイクニュースと向き合う」とはどういうことか
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「フェイクニュースと向き合う」とはどういうことか
(FIJ・小川和久理事)
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放送記念日の3月22日、NHK総合テレビで放送記念日特集「フェイクニュースとどう向き合うか~”事実”をめぐる闘い~」という60分番組が放送されました。
世界中で問題化している「フェイクニュース」の脅威。これに対してマスメディアはどのような役割を果たせばいいのか。放送記念日を機に、探っていく――と銘打っており、番組宣伝は次のように続きます。
「何者かによって事実がねじ曲げられ、インターネットで拡散する『フェイクニュース』。アメリカ大統領選挙をきっかけに、その脅威が世界中で注目され、問題化している。日本でも、フェイクニュースによって無関係の市民の生活が脅かされるなど、誰もが被害者になる恐れがますます大きくなろうとしている。そうした中で、事実に基づく情報を提供してきたマスメディアはどのような役割を果たせばいいのか。探っていく」
出演者は、ジャーナリスト…津田大介、法政大学准教授…藤代裕之、作家・映画監督…森達也、奥村倫弘の各氏。いずれも一家言を持つ人たちです。
むろん、色々と考えさせられる内容にはなってはいるのですが、しかし、と言わざるを得ないのです。
米国でもフェイクニュースは深刻な問題となっているわけですが、日本でもフェイクニュースが蔓延していった場合、その克服において米国とは違う問題に直面するからです。
米国の場合、フェイクニュースを駆逐するに当たって、同時進行の動きとしてファクトチェックの取り組みや調査報道が進んでおり、しかも、そのファクトチェックを支える民主主義の成熟した機能が存在していますが、それが日本にはないに等しいのです。(続きは…GoHooで)
小川和久理事の略歴
(おがわ・かずひさ) 1945年生まれ。静岡県立大学特任教授(外交・安全保障・危機管理)。陸上自衛隊航空学校修了。同志社大学神学部中退。日本海新聞記者、週刊現代記者を経て、軍事アナリスト として独立。外交・安全保障・危機管理の分野で政府の政策立案に関わり、NPO法人国際変動研究所設立。2012年4月から現職。著書に『在日米軍ー軍事占領40年目の戦慄』(講談社)、『日米同盟のリアリズム』(文春新書)など多数。