[コラム] 東京医大「女子受験者を一律減点」報道 まだ鵜呑みにできない理由

2018. 08. 03

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東京医大「女子受験者を一律減点」報道 まだ鵜呑みにできない理由

(FIJ・楊井人文理事)
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  「女子受験者を一律減点 東京医大、恣意的操作」ー 今朝の読売新聞が衝撃的なスクープを放った。女子であるという理由だけで減点とはいかがなものか、と反応したくなる。だが、待てよ。この報道を「事実」と鵜呑みにするのは早い。紙面上、事実と信じるに足るエビデンスは何も示されていないからだ。大学側も事実関係を認めるコメントは出していない(8月2日午後6時現在)。

 今朝、読売新聞が報じた「事実」(ファクト)は以下の内容に尽きる。

 
東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。女子だけに不利な操作は、受験者側に一切の説明がないまま2011年頃から続いていた。(読売新聞2018年8月2日付朝刊1面)
(続きは…Yahoo!ニュースで)


 

楊井人文理事・事務局長の略歴

(やない・ひとふみ)  1980年生まれ。一般社団法人日本報道検証機構代表、弁護士。慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者。退職後、慶應義塾大学法科大学院を経て、2008年に弁護士登録。2012年、日本報道検証機構を設立し、マスコミ誤報検証・報道被害救済サイトGoHooを立ち上げる。著書に『ファクトチェックとは何か』(岩波ブックレット、共著)。