書籍の紹介「ジャーナリズムは歴史の第一稿である。」
FIJ理事長の瀬川至朗早稲田大学政治学術院教授の編著「ジャーナリズムは歴史の第一稿である。」(成文堂)が刊行されました。
石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞記念講座シリーズの2018年版で、終章「いま求められる『検証ジャーナリズム』」(瀬川担当)で、ファクトチェックについて詳しく取り上げています。その一部をご紹介します。
調査報道とファクトチェック。この二つの異同は何であろうか。調査報道が、自らの問題意識に基づく「能動的なジャーナリズム」であることに対し、ファクトチェックは既存の言説を対象とする点で「受動的なジャーナリズム」と呼ぶことができる。その点を除けば、共通点の方が多い。両者ともに、調査や取材により、根拠となるデータを収集しながら検証を進めるという取り組みが必要となる。どちらも「検証のジャーナリズム」といえるだろう。序章で触れた「ジャーナリズムの一〇の原則」の一つ(検証の規律)として明記されていることでわかっていただけると思う。 (同書p.297-298より)